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1.ヘリコバクター・ピロリ菌 | ||||||||||||||||||||||
ヘリコバクター・ピロリ菌は、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因菌と されています。日本では胃潰瘍・十二指腸潰瘍患者のうち90%が ヘリコバクター・ピロリ菌に感染していると推定されています。ヘリコバクター・ピロリ菌感染者の場合、胃潰瘍・十二指腸潰瘍を 治療していったん治っても、多くは潰瘍を再発してしまいます。ところが除菌治療を行うと再発を防ぐことができます。また、ヘリコバクター・ピロリ菌は、胃がんの危険因子であるとされ除菌が奨励されています。 | ||||||||||||||||||||||
2.検査方法は? | ||||||||||||||||||||||
ヘリコバクター・ピロリ菌の感染を調べる検査には、13C−尿素を使用する「13C−尿素呼気テスト」、内視鏡生検抗体検査(血中又は尿中)があり、どの検査もくまい医院で受けることが出来ます。内視鏡生検は、検査を受ける人にとって、胃カメラと同様につらい検査です。抗体検査は、患者さんへの負担は少ないのですが、検査結果が出るまでに、1週間以上かかります。「13C―尿素呼気テスト」は、患者さんへの負担も少なく、結果も3日程でわかりますので、ここでは、この検査について詳しく説明致します。 |
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呼気テスト | ||||||||||||||||||||||
◎ 事前に予約を取らせて頂きます。 ◎ 検査前日夜9時以降絶食して頂きます。 ◎ 検査内容 |
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@ 通常の呼吸状態で呼気バックに呼気を吹き込みます。 A ピロニック錠(13C―診断薬)1錠を水約50ml とともに空腹時に服用します。このとき錠剤を つぶしたり、口腔内で噛み砕いたり、水に溶解したり せず、速やかに服用して頂きます。 B 服用後直ちに口腔内を2〜3回うがいをして吐き出し 口腔内に残存する尿素(13C)を排除します。 C うがい後5分間左側臥位のしせいを保ちます。 (からだの左側を下にして横になります) D その後、15分座位の姿勢を保ちます。 E ピロニック服用15分後通常の状態での呼気を採取 します。 |
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以上のように簡単な検査です。 | ||||||||||||||||||||||
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3. 検査の原理は? | ||||||||||||||||||||||
人には尿素を分解する能力がありません。一方、ヘリコバクター・ピロリ菌は、尿素を炭酸ガスとアンモニアに分解するウレアーゼという酵素をもっています。ヘリコバクター・ピロリ菌感染者は、13C―尿素(ピロニック錠)を服用すると、この酵素により尿素が分解され、13C―炭酸ガスのみが、呼気中に含まれるのです。つまり、13C―尿素(ピロニック錠)服用後の呼気に13C―炭酸ガスが含まれるか、否かを調べることにより、感染の診断が出来るのです。 | ||||||||||||||||||||||
4. ピロリ菌の除菌の方法 | ||||||||||||||||||||||
ピロリ菌の除菌治療は、2種類の抗生剤と胃酸の分泌を抑える薬の3剤服用します。1日2回(朝食後、夕食後)7日間連続で服用 して頂きます。除菌率は、約80〜90%前後です。抗生剤の効かない耐性菌も存在しますが確実に除菌する為には少なくとも指示されたお薬は、正しく飲み続けることが重要です。また、除菌治療は1週間ほどで終わりますがその後も潰瘍の治療は必要です。 | ||||||||||||||||||||||
【ピロリ菌の除菌】 |
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