インスリンというホルモンの分泌不足や作用不足によって
血液中のブドウ糖濃度の高い状態(高血糖)が続くと発病します。
発病初期症状がないため、治療せず放置してしまったり、
合併症が起きてから糖尿病と分かるケースも多いのです。
高血糖がひどくなると初めて、のどが渇く、お小水が多い、
トイレが近くなる、体がかゆい、できものができやすい、傷が治りにくい、
足がつる、だるい、集中しない、眠い、食べてもやせる、などといった症状が現れてきます。
糖尿病とわかったら、早めに食事・運動・薬物(飲み薬、インスリン注射)療法を行って
血糖をコントロールしましょう。


■ 糖尿病の誘因
糖尿病は加齢、遺伝のほか、日常生活習慣が誘因となって発病するため、「生活習慣病」といわれています。 糖尿病の患者数は年々増え続けています! 現代社会は糖尿病を増やす生活習慣を生みやすい構造にあり、食べ過ぎ、運動不足、ストレス、アルコールの飲みすぎなど、どれをとっても現在増え続けている事柄です。

■ 糖尿病が増えた結果
・網膜症による中途失明が年間3,500人以上
・腎症による新規血液透析が年間13,000人以上
・足壊症による切断は年間3,000人以上
・心筋梗塞や脳梗塞の発症も増加

■ 糖尿病になりやすい人
・肥満(BMI25以上)
・運動不足
・高血圧(140/90mmHg以上)
・40歳以上
・血縁に糖尿病のいる人
・妊娠時糖尿病、巨大児出産の経験者
・境界型といわれたことがある人

■ 糖尿病発症予防のために
腹八分目に食べて 脂肪を控え、多様な食品を組み合わせてバランスよく。
もっと歩いて 1日20分以上歩きましょう。
(男性)9,200歩(女性)8,300歩以上目標に。
肥満を減らそう 適正体重を維持しましょう。

糖尿病合併症を進行させないために、血糖、血圧、コレステロールの改善と、禁煙を勧めましょう。
血糖 HbAcは6.5%未満
血圧 130/80mmHg未満
総コレステロール 200mg/de未満
LDL-コレステロール 120mg/de未満

■ 日本の糖尿病患者数(厚生労働省)
1997年 2002年 2010年
糖尿病が強く疑われる人 690万人 740万人 ↑↑
糖尿病の可能性を否定できない人 680万人 880万人 ↑↑
合計 1,370万人 1,620万人 ↑↑↑

■ 食事療法・運動療法が大事ってホント?
糖尿病ではインスリンの量が不足したり、効きにくい状態になり、利用されないブドウ糖が血液中にあふれてきます。これを防ぐためには、体に取り入れる食物の量を、生活活動量に見合った量に減らすこととインスリン効果を上げるための適度な運動が必要です。
食事療法や運動療法は、実は1番効果のある治療法なのです。
また、内服治療やインスリン治療を行ううえでも、治療の根幹を支えています。

■ あなたに必要なエネルギー量(kal)とは…
標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22×仕事の強さ(25〜30)

(例)
身長1.65mでは総エネルギー量は1.65×1.65×22×(25〜30)となり、
その人の仕事量によって1,500〜1,800kcalとなります。

<1600kcalの献立例>
たんぱく質…80g
脂質…36g
炭水化物…257g
脂肪エネルギー比率…20%

・ごはん・納豆のおろし和え ・みそ汁
・野菜炒め ・ぶどう
・ぶどうパン ・すずきのムニエル
・かぼちゃのミルクスープ ・野菜のマリネ
・ごはん ・ゆで豚のごま酢かけ
・豆腐とそら豆のくず煮 
・ひじきとオクラの酢の物
・フルーツヨーグルト