めまいは平衡感覚の障害です。
 耳の奥には内耳の一部で「前庭」「三半規管」と呼ばれる所があり、体の平衡感覚をつかさどっています。 内耳の障害でその機能に影響が出るとめまいが起こります。
 又、小脳、脳幹の異常でもめまいが起こることがあります。そのほか「自律神経失調症」による、低血圧や心理的な影響でめまいや立ちくらみがあらわれることもあります。
 立ち上った時にフラッとくるのは、急に血圧が低下する為に脳貧血を起こす「起立性低血圧症」が原因です。血圧を維持する交感神経の働きが悪いためと考えられています。

●めまいはグルグル感とフワフワ感のふたつ
 主な特徴
● 末梢性めまい   ● 中枢性めまい
(1) 主に内耳の障害   (1) 主に脳幹・小脳の障害
(2) めまいが強くグルグル回る   (2) めまいは弱く、フワフワ浮いた感じ・ふらつき
(3) 耳鳴りや難聴を伴う
(メニエール病 *注1)
  (3) 舌のもつれ、物が二重に見える意識消失・強い頭痛
(4) 頭の位置を変えるとめまいの程度が変わる   (4) 頭の位置を変えても、めまいの程度は変わらない
(5) 目をつぶるとバランスがとりにくい   (5) 目を開いてもバランスがとりにくい
(6) 症状は数時間から数日で軽快する   (6) 症状が長引くことがある

*注1)メニエール病とは?
 聴覚や平衡感覚の機能が低下する病気で、30〜40歳代で発症する人が多いようです。発症の原因は、精神的ストレスや疲労が自律神経の機能に異常を起こすことが原因と考えられています。
 日ごろからストレスをため込まず、規則正しい生活リズムを心掛けましょう。

鉄分をたっぷり補給しましょう!
 貧血からのめまいや立ちくらみは食事で鉄分をたっぷり摂りましょう。おすすめの食材はホウレン草。鉄分と共にビタミンA・Cが多く含まれています。ほかに、うなぎ・レバー・大豆・イカなども造血作用、体質改善に最適です。

こんな時は医師の診察を…
 めまいが起きたら、安静にしてしばらく様子を見ましょう。症状がおさまらなかったり、気が遠くなったり、頭痛がしてきたり、物が二重に見えてきたりしたら、早めに医師の診察を受けてください。
 末梢性めまいの発作のとき、車に乗ると内耳に刺激が加わり悪化してしまいますから、症状が落ち着いてから病院に行きましょう。


あなたの「めまい」を一日も早く治すために、めまい以外の症状にも注意しましょう。
 めまいのほかに日ごろから次のような症状をお持ちの方、
 あてはまる項目の番号をチェックしてください。

寝つきが悪く、寝起きも悪くて朝から体がだるい。

時々耳鳴りが大きくなったり聞きとりが悪くなる。

頭が重いか、動悸や息切れしやすいか、乗り物に酔いやすい。

話をするとき舌がもつれたり、手がふるえて字が書きにくくなってきた。

寝床に入ってからも手や足が冷たくなかなか暖まらない。

本などを読むとすぐ額、目のまわり、目の奥などが痛くなってくる。

手を伸ばすと指先がしびれたり痛みが走る。

夜、よく眠れない。

肩こりや首こりが激しい。

自分の体のことがあれこれ気になって仕方がない。

後頭部が張ったり、頭痛がする。
   

日常生活上の注意
目につくところに貼って、毎日守るように心掛けましょう。
医師とよく相談しながら、根気よく取組んでみましょう。
指導:高安・香取めまいクリニック 高安 劭次先生

眠りたい30分前に床に入り、床を離れる30分前に目覚めてベッドの中で足の屈伸運動をしてからゆっくり起きましょう。

あなたは仕事量にムラがあります。
計画性をもって毎日平均的になるように心掛けましょう。

生活を規則正しく、食事もきちんと取りましょう。なんでもやりすぎはいけません。人ごみの中での長居は禁物。

食事は脂こいものを避け、野菜を多くとるようにしましょう。

寝る前に軽い体操をしたり、1日1回の乾布マサツを励行しましょう。

メガネが合わなくなったか、メガネが必要になったのかも知れません。
適当な所で検眼してみましょう。

重い荷物を片手で持つことは止めましょう。 同じ位の重さに分けて両手で持つほうがよいのです。

焦るから余計眠れないのです。床の中で新聞の一面記事を隅から隅まで読んでみましょう。

細かい仕事を長時間続けないように。寝そべってテレビを見たりせず、テレビの方を向いて坐って見ましょう。ショルダーバッグもよくありません。女性の方はネックレス、ブラジャーのつりひもにも注意を。

気にしたからといって病気は治りません。一番やりたい事をひとつだけ探して、それに熱中してみましょう。

あなたの枕は高すぎるか低すぎるかです。ソバガラなど調節できるものに替えてみましょう。